Trivia(トリビア)
オスグッド・シュラッター病は成長が止まるまで治らない?
オスグット・シュラッター病とは骨端症の一種で、大腿四頭筋(ももの前の筋)の牽引(引っ張り)力により脛骨粗面(お皿のやや下の出っ張り)に膨隆を生じ、運動時痛や圧迫痛(押して痛い)、ひどい時にはじっとしていても痛みを有す疾患で、骨・軟骨と共に膝蓋腱に病変が出ると言うことで良く知られています。

「突き指」は病名?
日頃診療中に「突き指しました」とおっしゃって来られる患者様がよくいらっしゃいます。診察をして「靭帯損傷」とか「掌側板損傷」とか説明させて頂くと、「えっ!?突き指じゃあないんですか?」とよく聞き返されます。「突き指」とは「指を突いた」という行為で、いわば「転んだ」と言うのと同じで病名ではありません。「突き指」することによって、結果、骨折したり脱臼したり捻挫したりします。
「突き指」は引っ張ったらいけない?
「突き指」によって、結果、骨折や脱臼、捻挫等をしますのが、確かに骨折や脱臼の場合医学的に正しい方向へ引っ張って整復した方がいい時もあります。逆に腱断裂や靭帯損傷などは断端を引き寄せなければいけません。状態もわからず、ただ闇雲に引っ張るのは状態を悪化させたり最悪手術を必要になる可能性を引き出します。医学的に状態を把握していなく単に引っ張るのは危険です。
ばらばらに折れたら「複雑骨折」?
「複雑骨折」は一般の方にとってはよく勘違いされている言葉です。別名「開放性骨折」と言い、骨が骨折した時皮膚を超え外に飛び出し外との交通があった場合に使われる言葉です。
一見、骨がバラバラに折れた状態を想像しがちですが、それは「粉砕骨折」です。傷口から細菌感染があって骨隨炎など起こすと厄介なので「複雑」なのです。

冷やすとしたら「シップ」?

一般的によく使われるのが、いわゆる「冷感シップ」。
商品によって多少の違いは有りますが、殆どの場合成分にメントールが配合されています。これは消炎鎮痛作用と清涼感(スースーする感じ)を出しますが、実際に温度が下がる訳ではありません。また、ハッカ油や酢酸トコフェロール(ビタミンE)やトウガラシエキスが入ったシップは血管拡張作用が有る為、急性期外傷では重症ほど症状を悪化させる可能性が高い為避けるべきです。
風をひいて熱が出て頭を冷やさなければいけない時、湿布をされる方はほとんどいないと思います。
冷やすには氷や冷凍させたゲルパックを使い物理的にのがお勧めです。一般に市販されている冷却シートでも2~4度しか下がらない様ですので痛みや熱感が強い等症状が強い時はシートでは無く、氷等を使いましょう。
冷やしたらいいのか、温めたらいいのか?
ケガをしたら出来るだけ早く冷やすべきです。どこ何処だから温めるとかは有りません。とにかく冷やすのが日本だけでなく世界中どこでも基本中の基本です。シップは避けましょう(殆どの湿布に血管拡張作用する薬品が入っており、症状を悪化させる可能性が高くなります)。急性期で症状が強い時は間違っても温めてよく揉むという事は絶対してはいけません。(軽い症状の場合はあまり影響はありませんが。)

冷却が有効なのは熱感があったり痛みが強い時で、急性期・慢性期とかは関係有りませんが、神経痛はそのかぎりでは有りません。実際の場では急性期が過ぎて落ち着いた頃、朝は温めて、夕方は日中負担がかかっていた為腫れと熱感、痛みが出て冷やすという場合もあります。
ではどういう時に温めるかということですが、強い痛みが引いてきて鈍痛や違和感になった時や、熱感が無くなって落ち着いてきた頃からです。という事は、冷やすまでも無く、温めるまでも無い時期も有ります。
分から無くなったら、考えずに気持ちいい方が正解になります。身体は欲する方を気持ちよく感じます。風邪をひいて頭が熱い時は冷やしたいと思ったり、体が寒ければ温めたいと思うのと同じです。
臨床的には冷却の方が適応範囲が広いと言えます。
どのくらい冷やせばいい?温度は?
これにはいろいろ説があり、必ずしも決まっていません。しかし大まかに通常は20分程度を基準に、急性期の腫れて熱感がある場合や大腿部の様な大きな部位は、30分~40分程度冷却が必要と云われています。逆に指のような小さな部位は10分程度でも十分だと思われます。真剣に早く治したい時は1~2時間おきに12~24時間行います。(状態により時間は変化させます。)また、急性期において損傷度合いが強い場合、出来れば皮膚表面温度は1~10度まで下げ、皮膚感覚がある程度麻痺するまで冷やしましょう。
膝の「水」は抜いてはいけない?
関節内に溜まった「水」は医学的には抜いたほうが良いかどうかは状況によります。しかし「水」が溜まったからと言って、やたら無闇に何回も抜くのもどうかと思われます。抜かなくても膝をくるむ関節包は吸収する機能をもっているからです。

一般的に言われる「水」とは、関節液の事で、本来関節の潤滑と関節軟骨の栄養をになっています。通常はヒアルロン酸のタンパク複合体によりやや粘度を持っていて、分泌吸収のバランスを保ち一定量を維持していますが、関節内で炎症を起こすと滲出液により「薄く」なります。つまり、軟骨はあまり栄養をもらえず、滑りも悪くなり摩擦も増しより炎症を助長させます。関節に水が溜まるという事は炎症と、溜めている関節包が膨らみ痛みが生じる為、水を抜けば劇的に痛みが和らぐことがしばしばあります。
しかし炎症が消えなければ抜いてもまたすぐに溜まってしまう為、何回も抜くという事になります。ただ抜くだけだと薄くなったとは言え、栄養と潤滑液も抜くという事なのであまり良いとは思えません。整形外科さんでは変形性膝関節症の場合など穿刺した後ヒアルロン酸ナトリウムと言う関節液と類似した薬を入れる事で疼痛の緩和を図ります。
メーカーの臨床実験値では中程度以上効いた方が66%と出ています。また、これは通常1~2週間程度で吸収されてしまう為、1~2週間に一回注射する事を勧めています。もちろんそのまま痛みが消失してしまえば、一応治った事になります。
また、化膿性関節炎の疑いや、外傷による関節血腫の疑いがある場合は関節液の成分を調べる必要性も有りますので、「水」を抜く事に意味が出てきます。
単純な炎症の場合、適正な物理療法を行えば炎症が治まり、溜まった「水」は関節包によりしっかりと吸収してくれますので、抜く必要もありません。(あまりにも多く溜まった場合は一度抜いた方が手取り早い事があります。)
足を組んだら骨盤がゆがむ?
